岡田湯の歴史


私は、当浴場の三代目です。
岡田湯は昭和の初めに私のおじいちゃんが石川県から上京して当地にて商売を始めましたが
その頃のことは私にもよくわかりません。
そして、私が生まれた年に父の手によって一度目の建て替えが行われました。
当時はお風呂のついてない家がまだたくさんあってこの家業はとても繁盛していました。

よって施設も瓦屋根を被った、天井の高いりっぱな和風作りの浴場でした。
まあ皆さんが一般的に思い浮かべるお風呂屋さん(銭湯)のそれです。もちろん富士山のペンキ絵もありました。
そこで私たちは育ちました。

やがて年を重ね、と同時にこのお風呂屋さんも老朽化してゆきました。
それなりの味はありましたがやはりちょっとしたレジャー施設、リラクゼーション施設としては若干年をとりすぎた印象は否めませんでした。
幸いにも商売は父から私の弟へと受け継がれて細々と続けては参りましたが・・・・

世の中は私共に関係なく、ものすごいスピードでうつろいゆきます。

時代の流れに取り残された岡田湯はいつしかお客さんも減り、
一握りのお得意さんだけで何とか生き残っているような地域の方にも忘れ去られた存在になっていました。
また、私自身も生まれ育った処ではあるものの、ほったらかしの状態が何年も続きました。
古い物を大切に保全し、のちの世に残してゆくことは大変意義があり重要な社会貢献のひとつです。
ですが別の側面から見れば、多くの人がはいりに来てくれてこそ地域に対する貢献なのではないかと考えました。
と同時におじいちゃんが起こした商売を父が受け継ぎバージョン2.0にし、
私がバージョン3.0に発展させていくことこそが私の仕事なのかもしれません。
私は決心しました。
岡田湯は銭湯です。(料金は今までと同じです。)ですが、
今までとは違うまったく新しくて清潔なリラクゼーション施設に生まれ変わりました。
銭湯が生活必需品からレジャー施設へと変わった今、そして街中の銭湯が次々と廃業してゆく状況のなかにあっても、
銭湯の魅力をさらにアピールしてみなさまに愛され続ける施設で在りつづけたいと思っています。
どうぞご家族やお仲間で一度、足をお運びください。


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